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学生活動
私のオススメ授業紹介:日本国憲法と法(溝部和貴さん)
国際教養大学(AIU)の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。
また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨くことを目的としています。
この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。今回は溝部和貴さんのオススメ授業をご紹介します。
こんにちは、2022年入学の溝部です。これから2回にわたってオススメ授業を紹介します。

科目情報
- JAS225 日本国憲法と法
- 教員:豊田哲也教授
- 単位数:3単位
ダイナミックな議論が特長!
この授業は、日本で施行された二つの憲法を照らし合わせて、自国における憲法の立ち位置、海外からの評価、これからの日本の憲法の在り方を模索する授業です。憲法がいかにして制定されたのか、その歴史と裏の思惑、今の社会において憲法をいかに解釈するかを議論します。豊田先生の授業を通して、中学や高校で触れてきた憲法を一から学び直し、日本の憲法をより深く考えるきっかけになる授業です。履修する学生の多くは上級学年ですが、皆が共通した基盤で学びを深めるため、学年や国籍を問わず同じ立場で学べるAIUの精神をより密接に感じられます。また、留学生も多く履修しているため、日本の憲法と他国の憲法を比較しながら、共にプロジェクトや議論を重ねることで、日本人としての自己認識、留学生との政治的ポジションの違い、日本国憲法に関する視点の差異に気づかされました。
憲法という重々しいトピックと裏腹に、豊田先生の授業の雰囲気は面白いでは済まないほど活気に満ち溢れています。世界の憲法との比較や憲法に見え隠れする各国の思惑を丁寧に説明し、「憲法」「国家」「秩序」に対する異なる価値観を、ダイナミックな議論へと展開します。時には、豊田先生の授業プラン通りに進まず、議論が次のクラスに延長することも。履修当初は圧倒されるかもしれませんが、その分より深く学ぶことのできるAIUの授業の1つです。
履修理由
私は、教職課程を履修しており、 そこで豊田先生のこの授業が教職課程の必須科目となっていたことから履修しました。この授業を履修した同期から聞いた感想は「自分たちは中学?高校で憲法について学んできたが、知識が不十分。 留学生の憲法に対する知識が自分たちと比較にならないほど高度だ」というもので、自分が授業についていけるかと不安を煽るものばかりでした。しかし、国際人として生きるAIU生として、日本国憲法と世界の法律の学びを通じて時代の変化を学ぶことができ、 さらに留学生との意欲的かつ高度な議論を通じて知識を得ることができる、持ってこいの授業だと思い履修しました。
憲法をとことん紐解く
履修当初、憲法に関する自身の見解を深く考えることはあまりありませんでした。知っていることといえば過去に日本で二つの憲法が施行され、天皇は主権者から国民統合の象徴へ変貌し、戦後、日本に代わりアメリカが立法に関与した等、少しの情報でした。この授業を経て、憲法の在り方の理解というものがいい意味でより複雑になりました。「いま」のみでなく「かつて」と「これから」を見据えた国の基幹となる憲法に向き合う姿勢。これを、私を含め多くの日本人は受け流す風潮にあると思います。日本国憲法は短い期間でアメリカの干渉を受けながら制定された一方、大日本帝国憲法はごく限られた少数の政府の官人しか起草に関与せず、憲法に関して訴えた庶民の意向がくみ取られることはなかったのです。そんな異なる背景をもつ二つの憲法が、その時代の情勢と紡ぎ合い、日本国を成長させる「常識」となったのです。
今、日本国が憲法を変えるならばどのような変更が必要か。果たして立法部は国民の意見とどう向き合うのか。そしてそのバランスとリスクは。今の日本における政治家と国民の関係を見ると、立法の意義と思考の在り方がより一層問われていると思います。私自身、留学先のユタ大学の授業の1つで「Criminal Justice Ethics(刑事司法倫理)」を履修しました。その授業は、アメリカ国内の立法と司法を義務論と功利主義の視点で比較する内容でしたが、この授業が憲法の在り方を自問するきっかけとなりました。正しさを追求するのか、それとも最大多数の幸福を追求するのか。憲法にはどちらも求められています。日本の憲法について深く学びたいあなた、ぜひ豊田先生の授業を受けてみてはいかがでしょうか。
豊田先生からのメッセージ
1889年に公布された大日本帝国憲法(明治憲法)は、非欧米地域で導入された初めての近代憲法でした。1946年の日本国憲法(昭和憲法)は、東アジアにおける数少ない民主的憲法の一つとして、日本の政治や国際関係に影響を与えてきました。現在、世界各地で民主主義の基盤が揺らいでいます。そんな時代だからこそ、日本の憲法の過去と現在を見つめなおし、日本と世界の民主主義の未来について留学生も交えて議論を交わしていければと思います。